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[第8話]「お名前を頂戴します」はダメ?!敬語の組み合わせに気を付けよう

やっと電話応対にも慣れてきて、敬語も一人前に使えるようになったかなと思っていたんだけどさ~、
この前、田辺課長に注意されちゃったよ。

え?どうして?坪田くん、何かしたの?

電話をかけてこられた人の名前を聞こうとして、「恐れ入りますが、お名前を頂戴できますでしょうか?」と言ったんだ。
そうしたら、あとで課長に「その言い方は相手に対して失礼になるから気を付けてね」と言われちゃったんだ。

そうだったんだ。でも「恐れ入ります」も「お名前」も、「頂戴できますでしょうか」もどれも丁寧だけど、何が悪いのかな。

だろ? 僕もどこがいけなかったのかなと、今もよくわからないんだ。

高杉さんの言う通り、それぞれの言葉は丁寧なのだけど、言葉の組み合わせが間違っているの。
「頂戴します」は、「もらう」「受け取る」の謙譲語で、何か「物」をもらうときに使う言葉なのよ。

そうすると…「名前」は物ではないでしょ。「お名前を頂戴する」ということは、「あなたの名前をもらう」という意味になってしまい誤った使い方になっちゃうのよ。「頂戴する」を使えるのは、「お茶を頂戴できますか」とか「お名刺を頂戴できますでしょうか」などね。

そういうことなんですね。

なので、今回は、
「お名前をお伺いできますでしょうか」と尋ねるのが良かったのよね。

わかりました! もう間違いません!

丁寧でも、組み合わせによっては間違っていたりするなんて、やっぱり難しいな。
あ、あと、私は電話の相手の声が小さくて聞こえづらいときとか、なんて言ってよいのか戸惑ってしまうのですが、そういう時はどう伝えたら良いのでしょうか?

相手の声が聞き取りづらいときは、
「申し訳ございません。お電話が少々遠いようで、恐れ入りますがもう一度お聞かせいただけますか?」と伝えるのがいいわ。
ポイントは、声が聞こえづらいことを、相手のせいにするのは失礼になるので、
そういった表現は避けることね。

わかりました。次からは、すらすらと言えるように練習します!

僕もです! 頑張ります。

初対面の相手に名前を尋ねたり、名乗ったりすることはコミュニケーションの基本です。電話応対では、顔が見えないからこそ、失礼のないように正しい言葉遣いを心がけましょうね。

はい!

今回のポイント

ビジネスシーンでは初対面の人に名乗ったり名前を聞いたりする機会が多くあります。敬語の組み合わせにも気を付けましょう。敬語は使ってこそ身に付くものです。一つひとつのフレーズをしっかり覚えて、実践していきましょう。

詳しくは、『公式テキスト 令和のマナー検定』 P.46「敬語」およびP.52「電話」で確認しましょう。

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